二次障害と、癒やしと学び直し

二次障害と、癒やしと学び直し


こんにちは、花崎です!
今日は二次障害になってしまったお子さんがいたとしたら、その子に必要なのは「癒やし」。
そして、その後にだんだんとやっていくのは「学び直し」ではないでしょうか、というお話です。よろしかったらおつき合いください。

HSCや発達の特性があって少数派である子どもたち

悲しいことですが「HSCや発達特性ある子はマイノリティ(少数派)である」ということは、
今の社会では生きづらさを感じやすい、ストレスを抱えやすい、と言えますよね。

周囲の無理解による間違った関わり方や支援不足があれば、自尊心が低下しやすく、悩みを深めたり、集団からの心の孤立を招きやすく、場合によっては様々な二次障害が出てくることも。
また、そのリスクを抱えて生きているとも考えられるでしょう。

悩みを抱えた子にとっての学校は「明るく楽しい学びや交友の場」ではなくなっています。
人と人とがいがみ合う姿を見ながら生活する場、いつ自分が見下され孤立するかもわからない。人と比べて出来ないところを意識してしまう出来事ばかり、失敗の指摘、先生に怒られる恐怖、五感の過敏による苦手が苦しい、忙しすぎてハードなスケジュールに疲弊、などなど。

心と身体は結びついています。心が疲れると身体も疲れ動かない。
身体が休まらないと、心も乱れたり荒れる。眠れない、疲れが取れない、お腹や頭の痛み。
悪循環が始まってしまうこともあるのです。
失敗ばかりを意識するようになったり、緊張して家でも学校でも気が休まらなくなったり。

不登校の原因が、そういう二次障害であることもあります。
適応障害、うつ病、不安障害。そういった二次障害のケースもあります。
親は、明るく健やかに育っていた我が子が元気を失うと、自分の身を刻まれるかのように苦しい気持ちになることもありますよね。

人間なら誰だって…

他者との違いがある子たち。
集団ルールのなかで、どうしても克服できない苦手なことが生じてしまう子たち。
自分のできないところを強く意識してしまいがちです。

これ、HSCや発達特性のある子じゃなくたって。
人間なら誰だって、「うまくいかない」ときは自己肯定感が下がりやすかったり、ネガティブな思考に傾きがちだったり、気分が下がったりするもの。そういう感情になるのは当たり前です。

努力で改善できない特性の部分に対して、うまくいかないことが続いて対人関係において小言を言われたり人から嫌われたりし、ときには先生や友だちから呆れられたりと、そういう「うまくいかないこと」が続けば、繊細な子ならば深く自信を失い自己否定に傾いたり、一人で立ち直れないほどに悩んでしまうことがあるのです。

親や先生や友だちは「出来ていない」ところを指摘しがち。
特性は目に見えませんから、どうしても人からの理解を得にくいのです。
不登校の原因には、仲間はずれ、イジメや学業不振など他要因も絡み合うことがあります。

最初にやることは「癒やし」

お子さんは、不登校以前、相当苦しんだはずなのです。
悩みを打ち明けられず、心を乱され、体調不良まで出てきてしまい。
困ったことになった、どうにかしなければ、頑張ろう。
そう自分を奮い立たせ、毎日学校へと向かって行く、その連続だったことでしょう。

ところがとうとう、通えない状態にまでなってしまった。限界。
体調がおかしくなり、親も気づいてくれた。自分もホッとした。
でも今度は、学校を休むことが苦しい。
家庭でどのように振る舞ったらいいのか、笑って過ごすわけにもいかないし。
また心がざわざわする。気が重い。身体も重い。涙が出る。

休むといっても、どのくらい休んでいいのだろう。
卒業はできるのだろうか。
親がイライラしてきた。
先生からの連絡が。

二次障害には「癒やし」「安らぎ」が絶対に必要

HSCは障害ではありませんが、困りごとが出ている場合はそれを一次のものと捉えます。
そして、本来は感覚過敏やDOESの特性だけだったものが、なんらかの体験などにより人を怖く思うようになって社交不安になったり、感情のコントロールができなくなったり、心や身体の病気になったりと、二次的な困りごとが出てしまうことを「二次障害」といいます。

二次的な困りごとが出ているときは、かなり重症なときです。
それで学校へ行けなくなったようなときは、相当だと考えてあげましょう。
そんな状態のときに一番必要なのは「心の安定」「癒やし(休養)」です。

家に居ても、学校にいけない自分、友だちとうまくやれない自分を責めて、気は休まっていません。親はそんな状態の子に、「学校に行けないなんて…」と追い打ちをかけるのではなくて、
心から休めるように、気楽に過ごせる家庭環境を与えてあげてほしいです。
それが、回復への早道となります。

同時にやらなくてはいけないのは「親癒やし」

お母さん・お父さんが不安になってしまったり、怒りの感情ぶつけたり、夫婦喧嘩をしたりと家庭が不穏な状態になると、子どもはもっと気が休まりません。
自分のせいで家族を不幸にしていると、悲しみや後悔の感情に占領され、体調不良も悪化してしまいます。

不登校が始まった時期、不登校になりそうな時期、そんな初期にこそ、お母さんはご自分の心をケアし癒やしてください。なぐさめも必要です。
大切なことは、ご自分を責めないことです。そして穏やかな笑顔を取り戻しましょう。

私も不登校を知ったとき「どこで関わり方を間違えてしまったのだろうか」「なぜ心身の不調に気がつかなかったのか」「家庭を大事にしてきたはずなのに、なぜ…」「あんなに一生懸命子育てしてきたのに」と、言葉にはしないものの、考えたのは事実です。

そうしたら、その日から大変なことになったんですよーーー!

心と身体は繋がっている!

次の日の朝、目の焦点が合わなくなっていたことは、以前も伝えたとおり。
他にも、突如不安に襲われたことが数回。
赤ちゃんに「夕暮れ泣き」という言葉があったかと思うんですが、不思議なことに夕方に、ものすごい不安が襲ってくることが、うつ病の人たちにはあるんですって。
それと同じ類の不安が、ホントに夕刻に私を襲ってきました。怖かったです。

他にも、急に背中の肩甲骨あたりが凝り固まって、ゴリゴリと音を立てるようになりました。
そのために肩を動かさずには苦しくなり、北野武さんのチックのように、肩を動かすことが癖のようになりました。
もっと怖かったのは、目がぴくぴくするみたいに頬の肉がぴくぴくと勝手に動くようになってしまったことです。神経の作用でしょうね。悩んでもいないのに、こうなりました。
今も時々ですが、勝手に動くことがあるんですよ。(治りません)

私の場合、もともとの性格は悲観的ではなく、むしろフラットか楽観的に近いほうで…笑
なので不登校に関しては、仕方がないと、受け入れていたんです。それなのに自分を責めるような思考を頭に浮かべた途端、このように体調に変化が出たのにはビックリです。

お母さん支援

私は自分が体験したことを、いろいろ考えました。
様々な本を読み、子どもたちにも同じようなことが起こっていることを知りました。
思春期に心の病気、身体の病気になった子たちの中には、気が弱いというより「頑張り屋」さんで「根性派」の子も多いです。「真面目さん」もいます。もちろん、繊細な子もいますが、繊細な子だって「繊細+頑張り屋」。そんな子たちが、何らかによって、そのように心や身体がコントロールできなくなることがあるのです。

お母さんだって同じ。
あまりに衝撃的な出来事により、辛く悲しい出来事により、思いがけなくてビックリしたことによって、心が不安定になることがあるのです。
ときには自分でコントロールできないほどに落ち込んだり、腹が立ったり。
お子さんの悲しい顔を見て、自分は悲しくない、心は乱れない、なんて親はいないのです。

でもお子さんの不調は、子育ての仕方でそうなったのでも、対応が悪かったのでもありませんよ。そのようなことで不登校や病気になるのではないんです。
ですからお母さんには、ご自分を絶対に責めないでいただきたいです♡

家族は影響し合います。誰かが落ち込んでいたり怒っていたりすると、他の家族は安心ができません。笑顔もでません。
そして、緊張の連続や、ネガティブ感情の連続などは、その子の回復の遅れに繋がります。

お母さんだって、元気にならなくては。
お子さんだって、元気になってもらわなくては。
困っている子の兄弟姉妹にだって、元気でいてもらわねば。
お父さんさんだって悩んでいる、みんなで支え合っていこう!
そのために、大事なことは「癒やし」ですよ。

元気になってきたら「学び」

人は心にエネルギーが溜まり、元気を取り戻してくると、行動してみようかな、という意欲がまた出てきます。そのときは動いてみるべき。
できることなら、小さな成功体験を重ねてほしいです。

でね、動いてみると、悲しいことも、失敗も、いろいろ起こります。
また元気がなくなりそうになるような体験も、してしまいます。
そのときに、もし認知の歪み(捉え方の偏り思考)があれば修正していきたいし、世間の常識とか、より上級の対人関係のコツとか、少しずつ新しい知識を取り入れて、そういう難しい体験も乗り越えていってもらいたいものです。

そのためには「学び」が必要かも。
自分のやり方だけではうまくいかなかったのならば、人からの支援を得て、違う考え方も取り入れていく…

我が家では家族で、なんでも話し合える環境が整っています。
不思議に思ったこと、失敗談、もやもやすること、不満、怒り、不安、そういう感情が起きたときのことは話し合って、討論会のように皆んなで意見を出し合いますよ。アイメッセージでね。
すると最終的には、「そうか、そんな考え方をする人もいるのか…」など、色んな意見の中から他者との違いも学び、自分の意見のほうにも修正が入り、笑顔になります♪

そんなことも、二次障害でネガティブ思考になりがちなときのフォローとして、行っていきたいですね。
もちろん、嬉しいことも、楽しいことも報告し合っています。
なんでも話せるっていいですよね。

感情を表に出すのが苦手なHSCさんご家庭では、どんなことでも言える(否定されない)雰囲気を整えると、和やかな会話が多くなり、そのうち自分のこともポツポツと話してくれるようになることと思います。
二次障害になるほどの困難やツラさを、話してくれるときがきたらいいですね。
そのときは絶対に否定せず、ウンウンと聴いてあげてくださいね。

*アイメッセージ=主語をI、私にして、自分の気持ちや体験、想いを語っていく話し方のこと