偏食や少食と、感覚過敏

偏食や少食と、感覚過敏

こんにちは、花崎です!
自身もかなりのHSCだったし、娘も超HSCでした!
偏食・少食については、もう一人の娘も含め、3人とも程度が強い。
何を隠そう、夫もちょっと偏食があります。
でも本人たちは、いたって誠実な人柄で、真面目で自罰思考の反省型。
「出されたものは文句を言わず有難く美味しく食べる」がマナーと心得ております!
それなのに食べられないという、不思議。
「HSC特性」や「発達特性のある子」に多い偏食・少食を、私の体験談を交えながら
感覚過敏を軸にお伝えしてみます乙女のトキメキ

偏食の理由って共感しがたいものが多いのです

偏食や少食の原因って、人によりまちまち。
だけどどこかに共通項があるような、そんな気もしています。
HSC子育て本に例として書かれていたのは「ご飯がカレー汁を吸って食感が変わるのが耐えられなくてカレーライスの食べられない子がいる…」というものでした。同じ理由で丼物も苦手とか。水分を吸い白米が柔らかくなるのが気持ち悪いんですってタラー

そういうのをただ聞くと「は? そんなことで?」と思ってしまいませんか?
HSCだけでなく、発達障害の子にも同じ傾向がありますが、どちらも五感の過敏があって、口の中の感覚に相当敏感なのでしょう。また扁桃体・海馬など脳の反応が強くて、その食物を見ただけで不快を感じる「食物嫌悪学習」的要素も影響しているかもしれません。
でも「敏感」を、ただの気にしすぎと考えるとわかり合えません。脳が強烈に感知する、それにより強い刺激を実際に受取る、とんでもなく苦手な刺激、そういう風に捉えてください♡

苦手なもの(食べたときの嫌な感覚)に対しての当人の思考はなかなか頑なで、勧めても二度目の挑戦はしたくない…と食べようとせず、偏食が改善しない。そういうケースも多いです。
お子さんだときちんと理由を述べる子も少なくて、親には「嫌い」の意味がわかりません。
つい「味」が嫌いなのだと思い、味の好みにうるさい子、偏屈な…頑固な、言うことをきかない子だと思ってしまい、それが叱責につながるんですね。
生まれ持った特性が大きく関係しているので本人を責めるのも違うと思うし、簡単に治せるものではない…、でも世間でもまだそういう風には認知してくれなくて「我がままな偏食」と受け取られることがほとんどです。

適切な支援を受けられず、ダメな子として人格を否定され続けている子がいます。
居残り給食が最たるものですね。九九を覚えられない子を、一人拘束して残して叱責したら指導法が違う、やりすぎだと思うのですが、給食だと多くの学校でそのようなことが起きています。
他にも…親の躾が甘いからとか、だから本人も我がままが過ぎていると言われて、周囲からの圧力により元気を失くしてしまう親子が多いです。

食べ残し対応を考えるときに、発達障害やアレルギー、そういう確固とした条件と照らし合わせた線引きをしてしまうと救われない子たちが存在することを、HSPカウンセラーとして発信していきたいと思います。

親の対応としてできること

触覚の問題で、噛んだり喉を通すことが難しいといった感覚過敏のある子たちのこと、それが叱責ではなおせない類のものであることを、担任の先生には4月の家庭調査票で親から相談をして、お子さんの心を守ってあげてほしいと思いますラブラブ 
好き嫌いをなくすための努力を家庭で続けていくので、学校給食においては現在の苦手について大目に見てほしいと。そんな風に伝えてみてはいかがでしょうか。

私は母に一度もそうして助言してもらわなかったし(親に困っていると伝えたことがない)、自分の子どもにも調査票に書くのみで他には何もしてあげなかったんです。学校と全然コミュニケーションをとっていなかったし、家庭訪問でも先生側から何も言われなかったし、娘も幼稚園の3年間+小学校6年間、一度も弱音を吐きませんでした。毎日居残り給食をしていることさえ知らず…

私は子どもが「困った」と言わない限り、助けない親でした。それでいいと信じていました。
でも大きくなった娘たちの話を聞いたり、発達の問題で臨床心理士の先生と話をしたり、不登校のことを学ぶうちに、偏食に関しては考え方が大きく変化しています。どうしてか。家庭でどんなに温かく接し、あるがままを認め育てても、給食というものによって自分に自信のない、消極的な子となってしまうのを、私を含め、たくさん見てきたからです。

多くのケースで学校は「好き嫌いなく全部食べなきゃダメ」と思って指導しているし、子ども側が変わらなきゃいけないと信じています。子ども側は、どんなに苦しかろうと周囲に助けを求められず、一人で悩んでいるのですハートブレイク

皆の前で、食べられない、困った子として扱われて、お昼休みも遊べず、掃除時間まで一人食べていたりする、自己肯定感はだだ下がりです!
それでも娘たちを含めHSCは、決して「食べなくてもいいでしょ」とは思っていません!
図々しい感情も持っていません。(たぶん)どこかで謙虚に自分を責めております。

偏食の際立った子は、生涯、世間からのそのような視線を感じながら生きていくでしょうから…だからせめて同居の家族ぐらい、偏食に対して何も言わないでいてほしいなぁ~と思うのです♪

花崎の「偏食少食」だった理由を解説!

私はかなりひどい少食でした。給食でいうと主食のパンは少量しか喉を通らず、給食袋に入れて持ち帰り帰宅途中の犬にあげる。おかずは配膳係に申告して最大に減らしてもらい、2才児用の食事量くらいにしてもらったものも食べ切れず、居残り給食。フルーツも苦手。ほとんどのものが苦手。肉は柔らかくないと食べられず、野菜も好きじゃない。毎日掃除時間まで食べていました。友だちにこっそり食べてもらったりもしながら、海苔やチーズなど個包装のものはすべて持ち帰り、学校ではほぼ食べていないような状況が6年間!

家庭でも食べ残しは許されず、長い時間をかけて生野菜を食べたり、噛み切れず噛み続けて味がなくなって飲み込めなくなったホウレン草お浸しは、お行儀が悪いけれどトイレに行って流したりと、躾に厳しい親の目を気にしながら縮こまって過ごしていました。

当時は担任に聞かれても答えられませんでしたが、私がどうしても食べられなかった理由は以下の通り。ただの「嫌いで食べたくないから」ではなかったのです!

1、触覚の過敏により、喉を通る感じや、歯で噛んだときの感覚などが強烈で気持ち悪いために、食べられないものが多かった。肉の脂身や筋、リンゴのみずみずしさと固さと酸味のコラボ、食感など。冷たさ、固さ、のど越し。同じ食材への脳の拒絶反応も起きる。

2、味覚の過敏で、辛いもの、苦いもの、酸っぱいものの刺激を、強烈に脳が感知する。トマト、みかん、イチゴなど、甘いといわれているものに対しても、酸味を強く感じ、頬の内側が震えるほど。苦味や、ほか様々な味に対しても、敏感に強く感知している。 人の数倍味覚に敏感。カレーの辛味に関しては、辛いを通り越して苦い、痛い、味覚が失われるほど。

3、たいしてお腹がすかない、食に関心がない、胃腸が働かない。長距離通学・体育授業参加等を考えても、運動量は足りている。それでもお腹がすかない。

4、③により唾液が全く出ないから、食べ物を咀嚼しても飲み込める状態にならない。唾液が出ないと食べ物が咀嚼しても飲み込めないってわかったのは中学生くらいから。それまでは訳がわからず困っていた。

5、噛む力が弱い。噛み合わせが悪かったこともあり、噛んでも噛んでも小さくならないような気がしていたし、食べ物が固いと思っていた。

6、よ~く咀嚼して、よくこなれないと(形が無くなるまで噛めていない状態のものは)飲み込むことができない(感覚過敏)。④⑩も大いに関係していると思う。飲み込むタイミングがないまま噛み続けているうちに、味が無くなってしまい、さらに飲み込めない状態になる。

7、美味しさが感じられない。こちらも色んな要素が影響している。食欲がないから美味しさも感じられないのだけれど、感情が抑圧されて、どこかは感覚鈍麻になっていたような可能性も。

8、少食(食に関心や喜びが持てないし、美味しくもないから、少量で充分)。すぐにお腹がいっぱいになる。こちらも③④⑦など、すべてがスペクトラム状に影響しあっている。
 
9、食に関する過去の体験、感覚、記憶がよみがえる。注射の前に痛いから嫌だな、と感じるのと同じで、リンゴをかじる前に歯に感じる嫌な食感と味覚で感じる嫌な酸味を、食べる前にまず想像してしまう。プロセスチーズは冷たさと酸味が脳に突き抜けるような、歯の浮くような触覚過敏により嫌だとか、千切り生キャベツは口の中で頬を触るガサガサとした食べ物として食が進まないなど、食材への苦手にはすべてに理由があった。

10、喉や食道が狭いんじゃないかな(笑)と思えるほど、喉に受ける感覚を感じる。食べ物の酸や熱で刺激を受けると、口内や喉の奥に炎症がすぐにおきる。口内炎もできやすい。

11、怒られることに対して萎縮する性格。感情を表に出せない傾向があった。

感覚過敏の説明は大変に難しいのですが…

大人が言う「好き嫌いの我がまま」とは違うものがありました。
なぜか唾液も出ないし、食欲もないし、食べ物は美味しく感じられないしで食べることが苦痛。かたいものは噛めないし、噛んでいると味が無くなってしまうものは飲み込めなくなる、辛い・酸っぱいの強烈な感覚があった、そういう感覚過敏と日常ストレスがかなり影響していました。

HSCだったのです。学校生活やクラスでの対人関係にだって萎縮しながら頑張って通学していたのです。それにプラスして、幼少期からHSC特有の多くの感覚過敏がありました。
未だにフルーツを食べたとき、一緒に食べている人が「甘いよ!」と言ったものでも、一口めに強烈な酸味を感じ、震え上がるような体験を毎回します!笑
苦味も辛味も、多分、多くの人の捉える感覚とは違うのです。
のり塩ポテトチップスの小さな赤とうがらしにだって、辛味を強く感じていました。

味覚の過敏に対しては、多くを耐えて経験して、慣れてきて、感じ方には変化が生まれました。
今はバーモンドカレーの中辛まで、美味しく食べられるようになっています♪
それでも多くの人とは、少し違う面を持っているかと思うのです。
噛んだときに歯や歯茎や神経が捉える感覚が、相当に過敏なんです。

感覚過敏は人それぞれ

偏食少食の原因は人それぞれ違うので、ぜひ「感覚過敏」と一括りにせず、その子の特徴をよく見てあげてください。そして話を聴いてあげてください。
さらには苦手を避けた食事を、家庭では出してあげたらいいと思います。
もちろん完全に苦手を許し、一生避けるのではなくて、大皿料理として出す、挑戦するチャンスはいくらあってもいいし、改善に向けての色んな食育方法があるかと思います。
叱責だけは避ける、そんな対応をお願いしたいと思います。

私の理解が増えたためか、娘は様々正直に話すようになっています。「煮る」調理法がとにかく苦手。煮た野菜や肉(鍋やシチューなど)はどうしても飲み込めない。味噌汁は大好きなのに、どうしてだろう。生クリームもフルーツも好きだけど、その2つが一緒になったショートケーキはなぜかムリ、などなどお願い 他のものは頑張るけど、カレーライスとかはごめんねって。

正直ムリなものばかりです!笑
同じヨーグルトでも違うメーカー銘柄のものは食べられないとか。
不思議ですね。本人も不思議がっていますラブラブ

それでも大きくなった今、大事な場面では相手に合わせて「時間はかかったけどドリア完食してきたよ」なんて、友達の家から帰ってきたりします。(丼物と同じ理由で苦手)
私が何でも刻んでハンバーグに混ぜるのを嫌がって、小学生の頃だったかな、「食べるから別々に調理して~チュー」と主張して付け合わせの野菜も素直に食べるようになりました。
今は嫌いだった野菜炒めも美味しいと食べるし、好き嫌いは随分と少なくなっています。

もう一人の娘はそりゃあ大変です。肉ならば、ひき肉と鶏の胸肉やささみしか食べられず、肉の触感が苦手。魚介類にも触覚過敏による苦手が多く、あれもこれもが苦手なのです。最近ようやく、良質の脂身ない部位の牛肉豚肉が食べられるようになってきました。噛んだときの感覚や、苦手な匂いにより吐きそうになってしまうので、本人は苦労しています。嗅覚の過敏により私が感じないような匂いも嗅ぎ取ります。

HSCはまだ自分のことをうまく人に話せません。理路整然と話さないから、周囲は腹が立つこともあると思います。ですが私の少食理由と同様に、HSCや発達特性ある子の偏食少食は、あらゆる特性、感覚過敏やこだわり、ストレスによる自律神経の問題等、様々なことが影響し合っていることが多いのです!

花崎の偏食が治った理由

感覚過敏の部分は、やはり治すのに努力が必要で、私の場合は「好きではないけれど栄養があるから食べよう」「美容のために食べなくては」などの意識が増してきた頃から変化が生まれました。自分で好きな料理を作って食べてみる経験から、食への興味や楽しみを取り戻しました。
野菜を食べたら胃がすっきりした感覚があったり、味も美味しく感じられるようになったりと変化が次々に起きて、今まで嫌いだったメニューも好きになり、いつしか偏食は消え、今は食べることが大好きです!
嫌いだった野菜も大好き。嫌いだった肉も好き。好き嫌いはほぼ無い。不思議ですね。

でも感覚過敏は残っています。トマトを食べる際には、食べる前から唾液が出るほど酸味に対して敏感です。実際に酸っぱいと、嫌な気持ちになります。ほんとは食べたくないって思うこともあります。でも大人なので、体のために色々食べようと思って食べています。
夏みかんを勧められたら、罰ゲームに挑むみたいな気持ちで、食べます!笑

まあそんなこともありますが、食事に対する基本的な意識が変わったのが大きかったです。
今は「食べることが好き! 楽しい! 楽しみ!」といつもワクワクしているんですね。
だから色んな食べ物に挑戦してみたくなる。その気持ちの変化が大きいです。

娘とまったく同じくらいにひどい、偏食と少食だった私が、なぜ変化できたのか。
ここ、重要ですよね!
自分の気持ち(精神的強さ)は、改善にまったく関係ありませんでした!
親や先生に怒られて、食べよう、食べなくてはと自分の心を追い込んでいたときの私は、食べようとしても、どうしても食べられなかったのです。体と脳が、食べ物を拒絶して悪循環に。
偏食の改善に「忍耐」は効果がありませんでした。厳しく怒られても諭されても、恐怖ですらありましたが偏食は治せませんでした。根性ではムリ。余計に食べられなくなる。

中学生になった頃、私の場合はたまたまそのタイミングで、自然にお腹がすいて、急に「お腹が空いた感覚がわかる!」と感じ 、ご飯を美味しいと喜べるようになったのです。
リラックスしたのでしょうか。給食が無くなってお弁当になり、ホッとしたのかもしれません。
運動量も勉強量も増えて、消費が大きくなり、自然な形でお腹がすいたのかもしれません。
正確なことはわかりませんが、でもたぶんストレスからの解放が大きいです。
それで唾液がでるようになったのかな、多少形が残っていても早い段階で飲み込めるようになりました。それが偏食少食改善の理由です。すると自分でも「これまで飲み込めなかったのが不思議、なぜ?」って思ったくらい、噛めば味を感じ、自然に飲み込めるようになったのです。

今は食べることが幸せラブラブ Amebaブログにたくさんの画像を載せているとおり、食べ歩きが大好きで、一番幸福を感じる瞬間は美味しいものを食べているとき 音譜 です。

そんな私からのお願いは、我が子の偏食を無くそう、3度の食事をちゃんと食べさせようって躍起にならないで、どうかこの問題は長い目で見てあげてほしい、怒らず食卓を楽しい場に♡って、思うのです。だって食べられないときは、どうしようもなかったし、そして、あんなにひどい偏食少食も、私だけでなく娘たちも、良い方向に向けてゆっくりと、本当にゆっくりとですが変化し続けています。

※偏食少食の変化・改善の度合いには個人差が大きく、改善しないものが多々あることも、どうか受け入れてくださいね。お母さんのつらさはぜひ、カウンセリングで打ち明けてくださいね!