不登校の子にとっての卒業式
こんにちは、花崎です!
Amebaブログにもブログを書いているのですが、多くの方が読んでくれて反響の大きかった記事を、こちらでもご紹介します↓ (少々加筆しています)
私がカウンセラーになる前の、普通の母親だった会社員時代の出来事で、私の経験からの独り言を書いています
不登校も千差万別です。個々のケースは原因、当人の感情、1人1人まったく違います。
個人差がとても大きいということです。
だから、あれが正解、これが不正解、というのはないので、こちらの記事も参考までに読んでください ぜひ理解を一方向だけに受け取ることだけはやめてくださいね。

さて、休み休み、息切れぎれに学校に通えて、なんとか卒業ができることになったとします。
卒業はできるけれど、本人が「卒業式には出たくない」と申し出たとします。
学校側は、なんとか卒業式に出られるように、後からそっと入場して後列に座ればいいよ、とか、2階に特別席を設けよう、とか、配慮を伝えてきてくれているかもしれません
それを伝えたときの、お子さんの表情・態度・その後の身体症状に注目してみてください。
卒業式、出たいと言っていますか
出たくないと言っていますか
(心の声を聴いてみてください)
大人は、卒業式には出たほうがよかれと思って、出られるようにと考えます。
子どもは「出たほうがいいんだよね」って、自分の気持ちを抑え込みます
それでも「出たくない」と強く言うならば、出ないほうがいい場合があります。
うちの娘は「出たくない…」と言いました。
世のルールに従う子で、わがままなんて言わない子です。
「出られない」と泣きました。
私は「そう…出なくていいんじゃない」と笑顔で答えて、2人で出ないことを固く決めました。
(どうしてかというと、数ヶ月動くことができなくて、まったく学校に通えなくなっていたんです)
ところがね…、卒業式が近くなってくると祖母が 「ちょっと無理してでも卒業式には出た方がいいよ。 出られるよ、きっと。最後だもん、座ってるだけでいいんだから行っておいでよ」 と優しく励まし、娘の精神状態は一気に急降下したのです
私は、動けなくなって、表情を失った娘に言いました。
お祖母ちゃんは、出たほうが後々良かったとあなたが思うんじゃないかと、
出なかったら後悔するんじゃないかと、善意から、愛情から、そう言っただけ。
でも自分で「出ない」と決めてあったことじゃない。
意思決定は自分でするものだよ。
お母さんとも話し合って「出ない」で決定してたじゃない。
なのに、なぜそこで悩むの?
悩む必要はまったく無いよ
その瞬間、娘はホッとして、涙をぽろぽろ流しながら、卒業式に出ることはムリなんだと吐露しはじめました
私は、そのストーリーを聞くまで、本当の娘の心はわかっていなかった。
わかった気になっていただけで、わかっていなかった。
当人は、なかなか本当のことが言えずにいます。
正しい道から外れることを、申し訳なく思っているから。
周囲の愛情を裏切りたくないから
結果、娘は、卒業式には出ないのに、まだ卒業生たちが大勢いる卒業式直後の学校へ行き、保健室の先生にも親子でお礼を伝えてきました。
すれ違った先生方にも挨拶、握手を交わしました。
廊下でも大勢の卒業生とすれ違いました。
親友と、部活の友だちと、笑顔で写真に写りました
皆んなに会っちゃって平気なの? と娘に聞くと、
「うん、そういうのは全然大丈夫なの」って笑って答えました。
親や先生、大人の想像は、大体、現実とかけ離れています!笑
卒業式、修学旅行、行ったほうがいいのだと考えるのは大人です。
不登校の原因、きっとこれが嫌なんだろうと、単純に考えるのは大人です。
行けるのならば、行っています。
行けないから、お腹が痛くなったり、動けなくなったりするのです。
行けないには、行けないなりの理由があります。
行こうとしても行けないならば、それくらいの理由があるのです。
大人の意見は一旦脇へ置き、子どもの気持ちを優先させてもいいのではないでしょうか
子どもの心や体よりも優先するものなんて、ありませんよね。
私は経験から、そう思っています。
子どもの話をよく聴いてみてください。
決して否定せずに。
子どもの決定に任せたほうが、心に残る傷を防げます。
HSCや非定型発達さんや、心の病気を抱える人、いじめなどの辛さを抱えている人のトラウマを防げる、といったことがあるのです。
過去、私はトイレに閉じこもる娘を強引に説得して「早く! 飛行機に乗れなくなるよ! 早く!」と、無理矢理に修学旅行へ行かせたのですが、娘はその旅行4日間が地獄だったと今も言い、そのときのことがフラッシュバックするなど心のトラウマになっています ごめんね、、笑
「修学旅行は休ませて」って当時、お母さんに訴えたよね、とは、過去を振り返っての娘のセリフですが、私はちっとも覚えていません!笑
行くのが当たり前、と思っていたし、行きたくない理由さえ娘からは聞いていなかったし、不登校になっていることさえ知らなかったし!笑
お金払ってあるし、お腹が痛いだけかと思っていたし、当日はちょっとお腹壊しちゃってるのかな?くらいの気持ちで。
行かなかったら将来のどこかで”修学旅行”の話になったとき、話についていけなくてチンってなっちゃうかなって、ただそれだけの心境だった…
もっとハッキリとした説明で、懇願してくれればよかったのにね。
不登校の子の中には、現状をうまく説明のできない子が多いというのは、
後から知ったことです