偏食と学校給食

偏食と学校給食

こんにちは、花崎です!
自身もかなりのHSCだったし、娘も超HSCでした!
偏食・少食については、もう一人の娘も含め、3人とも程度が強い。
でも本人たちは、いたって努力家。真面目。自罰思考の反省型。
食べられないことに対してはいつも「申し訳ない」と凹む方。
自身も経験したことだからこその、偏食にまつわる話を「生の声」として一部お届けします乙女のトキメキ
HSCの偏食・少食。食事の苦痛について。全3話のうちの1話目です。

*偏食は幼少期から

私自身の偏食と少食は、ごく幼少のときから始まっています。
幼稚園では、いつも給食が食べられなくて、昼休みも職員室で居残り給食。
同じ時間を、お友だちは外でにぎやかに走り回り、楽しそうに遊んでいる。
園庭の無邪気な子どもたちとの隔たり。
皆んなの声の賑やかさを、幼い私がしっかりと記憶しています。
(現在の私は偏食なしですが、改善には個人差が大きいです!)
(発達特性による偏食など、改善が難しいケースもあります!)
(HSCの偏食も同じ、改善できない場合が多々あります!)

長女は0歳6ヶ月くらいから、離乳食が始まったころから他の子たちと違った様相を見せました。以来少食、偏食、食欲なし、腸の不調(便秘等)に苦しみました。
それでも成長に伴い少食は改善し、他のお友だちよりもたくさん食べる子に変化しましたが、でも食へのこだわりは消えず、今も味覚、触覚の過敏を持ち、偏食があります。

次女は、長女に比べると順調な成長であったため、親としてうっかり見落としていましたが、嗅覚と触覚による偏食がすごいのです。しかし不思議です。「思い込み」というものが影響したのですが、親の私は次女の偏食には目が向きませんでした!笑
よくよく振り返ると脳の強い拒絶による偏食もあり、現在は長女よりも食事に苦戦しています。

*「できないことをダメと言われ続ける子」の気持ちについて

「できないことをダメと言われ続ける子(人)」の気持ちについて、考えてみます!
HSC本を読むと感覚過敏が食事に影響している子の多いことがわかります。それは端から「わがままな偏食」に映り、注意や叱責を受けることがあると思うのですが…

または優しい口調で 「(自分のために)もっと食べなきゃダメだよ」 と、人から諭されることが多いと思うのですが…
大人は「栄養をたくさん摂っての健康維持」を考えてそのように言うのでしょうけれど。
その子の心の健康についての視点は、うっかり抜け落ちているのではないかな、と思います。

ちなみにHSCや発達特性による偏食は、「嫌いなものを食べない」のではなくて、特性により「食べられるものが、それしか無い状態」なのです。
そこを理解してあげられると諭すことの意味の無さを感じられるかもしれませんね!

ダメ出しの繰り返しは、その子の「元気」を奪っていくのです。
幼い子どもの未熟な心(脳)には悪影響を与えてしまうのです。
無垢で無邪気な心。甘えたい心。自由な心。自己主張する心。
ありのままの自分を好きでいる心(自己肯定感)。
大切な感情が、失われる可能性があると思います…

食事の時間が楽しくなくなるんです。
食べることにワクワクしなくなります。
必ず好きじゃないもの、食べられないものが食卓にありますから、注意されることに緊張します。それが自律神経の乱れ、胃腸の働きの低下につながる可能性もありますね。

他にも悪影響として、大人の目が気になる、親や周囲の大人や作ってくれた人を悲しませている自分・万能にできない自分を強く意識する、全部食べなきゃダメで食べられない自分はダメという思いにとらわれる、他人との比較の心理が身につく、親や先生など他人からの愛を信じることが難しくなる、ありのままの自分に○をあげられなくなる など様々。

*毎日ダメなところだけを抽出されている気分に

食事の問題を抱える子は毎日毎日同じようなことを注意されています。
もはや注意されていなくても、心地良い食事からは遠のきます。
厳しい環境にいるならば、一定時刻になると独房に入れられているも同じ。
私はそんな気持ちで小学6年生までを過ごしていました。
必ず食事のたびに余計な一言を誰かから言われるならば、怒られているも同じなのです。

学校給食。優しい言い方をしてくれる先生であっても「ここまで減らしても全部食べられないの?」「何が嫌なの?」「あと少しだから頑張ろう」「もう少し頑張ってみようね」「クラス全員完食が目標だよ」「給食室が閉まる前に食器を片づけられるといいね」「好き嫌いはなくそうね」「大きくなれないよ」などなど。

どれだけ優しい口調だろうと、私の心はツラく苦しかったです。
なにしろ生まれてからずっと同じことを言われて。
だけど言う通りにできないのです。
物事の道理、つまり食の大切さはちゃんと理解しているのです。
それでも食べられない…

めちゃ怖い担任の先生に当たった年なんて、1年間悲惨でした!
振り返れば「残すことは絶対に許さない! 好き嫌いはダメ!!
食べ終えるまで自由はない!」という先生も多かったです。
毎日掃除の時間まで食べていた小学6年間。私の学校の思い出です。

そういうときの子どもの気持ちは…(無意識に)不快な感情の蓄積…なのです… 食事時間って、毎日、1日に3度も! 一生涯! 巡ってくるんですもの…

*親もつらい!

親もつらいですね。
食べない我が子と向き合い続けることは、本当に大変な行為です。
笑顔で接し続けること、偏食を許すことが良い(正しい)かの判断も、一人ではつけにくい。
学校で困るんじゃないか。この子のために…と思ってしまいますものね!
(個別カウンセリングや、HSC講座でご質問いただけます。今までに私が学んできたこと・識者の声をお伝えさせていただいています♪)

多くのものが食べられない我が子の姿に、不安や心配が先に立って、心に余裕がなくなってくるのも当然だと思います。
ときには親だって腹を立てたり、食べ残しに不機嫌な顔をすることもあるでしょう。作ってくれた人への感謝の気持を、子に教えてあげなくてはという気持ちも湧き、躾の気持ちでスパルタの指導者になってしまう場合も。

親側の気持ち、そこは痛いほど理解できます。
でもどんなに心配していても、きっと叱責するだけの指導は成果を出さず、愛情が深いお母さんの思いもきちんと届かず、逆に子どもの心の歪みを招く怖れがありますから、そういうときはぜひ、親子2人の空間へ他者を招き入れて、怒りを中和させましょう!
2人だけでいると(他者がいない空間では)煮詰まった関係になり、カッとなったり、言い過ぎちゃったり、しちゃいがちですからね。

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*感覚過敏による偏食は治すのが難しい

偏食は目に余りますが、本人にとってはどうしようもないこと。
味覚、触覚、嗅覚の敏感さによって、拒絶が起きてしまったりすることを、まずは理解してあげてくださいね。それから発達特性を持っていたりすると偏食が自然に改善することは少なくて、さらにじれったいと思います。偏食の傾向は多く強くなりがちです。それでも少しずつ改善を試みるための料理の工夫をしながら、温かく関わっていくことが改善に繋がります。

明橋大二先生の「HSCの子育てハッピーアドバイス」という本にも確か、HSCのよくある偏食例としてカレーや丼物が食べられないと、イラストで載っていたかと記憶しています。

私の娘はカレーライスが食べられません。理由は言葉にしにくいのでしょう、困っていてもその説明は大人になるまでできませんでした。
娘は好き嫌いはあり食べずに頑なな物も多々ありますが、今はたいていのものはきちんと食べようとしています。それなのにカレーライスや丼物は「絶対に」食べられません。 2つのものが混ざる感覚や、ご飯がべちゃっとする食感の変化が苦手なんですって。どうしてもというときには別々の皿によそうのですが、そのときでも、白米皿をすべて先に食べきってから、カレールーだけをあとで食べるんですよ。意識の中でも混ざるのが嫌、みたいな感覚…?笑

こういうのを聞くと、我がままと、捉えたくなりますよね!
(わかります…)
気持ちの問題が強いって批判したくもなりますね。私は脳の過敏性について、我が身で体験しているので何となく理解ができますが、そうでない方たちには難しいだろうなぁと想像します。
だからこそ、私のような経験者が当事者の声を発信することも、必要かなと思うのです。

*厳しい給食指導は不登校や自己肯定感低下の原因にもなる

偏食は、性格的な甘えや弱さ、我がままのみで起こるのではなくて、HSCの場合主なる要因として「感覚過敏」が影響しています。その感覚過敏の特徴については、次回記事で体験談を丁寧に説明していこうと思いますが、今日はまず「当人には食を自分でコントロールできない」状況があり、食べようと思っても食べられない、喉を通らない、そういうケースがあることをお伝えします。

偏食については大らかに受け止め、叱らず、もしも偏食で体調不良になったら病院へ連れて行き、お医者様から栄養の大切さについて説いてもらおう! くらいの心構えでいると良いと思います!
(でもそんなケースには、あまりならないらしいですよ)
(そのくらいの覚悟で、子どもの成長を見守ってみませんか?)

相当自由に食べさせていても大丈夫らしいです。家庭でどんなに食べていないようでいても、ちゃんと給食で新しい味付けにも出会い、食べられるものは食べられるだけ食べていきます、だからお母さんたちは、まず日々の心を安定させてくださいね。

栄養失調よりももっと大切なのは、子どもの心にトラウマ的な傷を残さないことです!
幼稚園、保育園、小学校の給食では、家庭よりもさらに厳しく食をコントロールされます。皆んなの前で注意されたり、友だちから冷やかされ続けたり、居残りをして友だちと遊べないことで友人関係が崩れたり、掃除の時間や放課後まで孤独に食べたり…

自信を失い劣等感を募らせるタイミングが多々あります。
不登校の要因にも関係するそうです。

さぁ! そんな風にして、幼稚園や学校では、頑張ってきています!
ですからせめて家庭では、リラックスした気持ちで、食事そのものを楽しみたいですね!!
それから大好きなお母さんには、どの子だって自分を笑顔で受け止めてもらいたいですよね! その ”お母さん大好き” な心を、受け止めてあげましょう!

それは偏食少食で叱られながら生きてきた花崎からの、周囲の方々へのお願いでもあります…
手助けというか、支援をしてあげてください。具体的に言うと「どんな姿を見ても家族が笑っていて、その子のありのままをOKと受け止める姿勢を見せ続けること」です。それがあったら超嬉しいから!笑

家庭では、食べる量について、食べる物について、ある程度の自由を与えてあげてほしいです。楽しくて、気持ちが前向きになると、食べてみようという気持ちも出てきます!
だから親ができることは、偏食に関するその子の特徴の情報収集をして、好きなものをたくさん調理してあげたり、「好き」を生かして偏食に対応する、改善できたら一緒に喜ぶ、そんなことではないでしょうか。

*おわりに

小学生になると家庭科で、料理や栄養学の勉強をします。嫌いでも体のために食べるべきものや、食品ごとの栄養や効用を知り、思春期には美や健康にも意識が向くようになり、成長とともに周囲に注意された言葉にも影響を受けながら、偏食は少しずつ変化していきますよ♡

最後に、もう一つの大事なこと。
それはストレスによる自律神経の乱れで、胃腸が思うように活発に働かないことが少食の原因かもしれないということです。ストレス要因は食への厳しい指導だけじゃなく、日常生活によるものも影響しているかもしれません。
他にも、幼少期は特に、上手に食べることが難しい口腔機能の問題を抱えた子もいます。お腹が他の子たちよりすかない子もいます。

色んな要因がありそうです。
味の物質は唾液に溶けることで味蕾に伝わるといいますが、少食偏食の子たちは、過去の私のように唾液が出ない感覚を持っている子もいます。口の中でうまく食べ物を動かせず、咀嚼ができない子もいます。
叱られることが多くなり食べることそのものが苦痛になると、食への意欲がなくなることもお忘れなく。

良好な対人関係からは、良い結果が生まれますよ。
みんなが笑顔でいることの方を優先する考え方をして、精神面から問題を解決しましょう!
「栄養失調を心配して」とか「背が伸びないんじゃないか」とか、そういう大人の感情は一旦保留! 目の前の現実に戸惑ったときには「子どもが元気あるかな」「楽しそうにしているかな」という目に見えるものにより判断したら、お母さんの不安はどんどん消えていきますよ。

もし変わりばえのない日常にイライラしちゃうとしたら、それはお母さん側の不安かも。愛情深く、責任感強く、1人で頑張ってお子さんに真剣に向き合ってるからこそ膨らむ不安かもしれません。
心を軽くして平常心を取り戻すには、その不安、誰かに分ちあってもらいましょう! 人と、たくさん話をするといいので、困っていたらカウンセリングもぜひ利用してくださいね。